2024年5月31日(金)19:00~(zoomハイブリット開催)
会場:リファレンス国際ビル 2階貸会議室K-1
内容:第1講演 「メチル水銀中毒症の疫学」岡山大学 頼藤貴志医師
第2講演 「水俣病の診断はどうあるべきか」岡山大学 津田敏秀医師
第3講演 「水俣病医学の問題と共通診断書の意義」協立クリニック 高岡滋医師
第3回慢性メチル水銀中毒症シンポジウムに協立クリニックの高岡滋院長がパネラーとして講演しました。1956年に水俣病が公式確認され60年以上経過しますが、水俣病の問題はきちんと解決されておらず、各地で裁判が続いています。5月1日環境省と患者団体との懇談の場で患者さんの話を遮り、マイクをオフにする問題が起きました。水俣病に対して世の中が注目している今、水俣病についてなぜ、解決しないのか改めて学んでみる良い機会となりました。
パネラー3名のお話から、疫学の考え方について学び、水俣病は食中毒症であり、水銀に汚染された魚介類を多食し症状があれば水俣病と言えること。「共通診断書」は、魚介類の摂取歴、症状、感覚障害を中心とした 神経所見、診断基準を包括的に扱っており信頼できるものであること。医学としての水俣病の研究は1990年以降ほとんど行われていないということでした。
国が水俣病患者と認定するハードルは非常に高く、どんなに症状があっても救済を受けられない人たちが今でもたくさんいます。だから裁判するしか方法がない。このような状況に置かれている患者さんの苦しみ、救済されることなく、お亡くなりになった患者さんもたくさんいます。いまだに続いている水俣病の問題、この現状を多くの人に知っていただくことが、水俣病の解決の一歩につながると思います。